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About

▶︎サイレント・コミュニケーションとは

 

 サイレント・コミュニケーションは、吉岡英樹(聴覚障害のある娘を持つ父)と及川澄志(聴覚障害者)の出会いから始まりました。
 
 2020年、大学教員の吉岡は情報技術を活用して聴覚障害者を支援できないかと考え、研究室を立ち上げる準備をしていました。また、ろう学校教論だった及川は、聴覚障害児を対象にロジカルシンキングやプログラミングを指導する私塾「シコウカ」を立ち上げようとしていたのでした。二人が意気投合したのは言うまでもなく、吉岡は2021年度から及川を演習講師に迎え、ゼミをスタートしたのでした。聞こえる大学生たちに聴覚障害のことを理解してもらうために、及川の実体験を共有したり、手話を覚えてコミュニケーションをとったり、サイレント・コミュニケーションの試行錯誤が始まったのでした。
 
 本プロジェクトの目的は、聞こえる人に、聞こえない・聞こえにくい世界を知ってもらうことで、聞こえ方に関わらず、皆が一緒に暮らせる社会を実現することです。サイレント・コミュニケーションは二つの体験で構成されており、一つは聞こえにくい状態のシミュレーションにより聴覚障害への理解を深める体験、もう一つは手話やジェスチャーを使って楽しくコミュニケーションをとる体験となっています。これまでに、大学のゼミ、中学生や高校生を対象としたオンライン及び対面の授業、音響シミュレーションを使った体験型コンテンツの開発と展示会への出展などを実施してきました。
 
 私たちは、一人でも多くの方にサイレント・コミュニケーショを体験していただきたいと考えています。対面やオンラインでのワークショップの実施や、体験コンテンツの共同開発など、ご興味のある方はお気軽にお声がけください。一緒に、聞こえのインクルーシブ社会を実現しましょう。

▶︎プロフィール

 

東京工科大学 メディア学部 講師

吉岡 英樹

バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。娘の聴覚障害をきっかけに、2020年に言葉を楽しく覚えるアプリ「Vocagraphy」をリリースし、2021年に聴覚障害支援メディア研究室を立ち上げた。
 

聴覚障害児のための私塾「シコウカ」代表

及川 澄志

北海道出身の聴覚障害者。聾学校と地域の学校の両方の経験を経て民間会社に入社したが、デフリンピック出場をきっかけに聾学校教員になることを決意。教員免許取得後は聾学校教員として17年間勤めてきたが、新たなステージで聞こえない子どもたちの可能性のひろがりを目指した空間を築きたいと考え、退職を決意。現在は私塾だけでなく、東京工科大学やろう学校の講師としても活動中。

▶︎沿革

 
2021年4月 東京工科大学メディア学部に聴覚障害支援メディア研究室を立ち上げ、吉岡と及川の試行錯誤が始まった。聞こえる大学生に聞こえにくい状態を体験をしてもらい聴覚障害への理解を深めてもらったり、手話を覚えてコミュニケーションをとったりして、サイレント・コミュニケーションの原型が出来上がった。学生たちは体験を通して聴覚障害を理解し、情報技術を活用した支援方法について研究に取り組んだ。
2023年6月 立教女学院中学校・高等学校との連携プロジェクトが始まった。お互いの学校は少し離れているため、オンラインを活用したハイブリッド形式を取り入れ、サイレント・コミュニケーションを実施した。大学の授業と同様に、聴覚障害への理解を深め、手話やジェスチャーを使ったコミュニケーションを楽しく学んだ。
2023年11月 さらに多くの方にサイレント・コミュニケーションを体験してもらうために、10分間に集約した体験型コンテンツを開発し、お台場で開催されたサイエンスアゴラ(主催:国立研究開発法人科学技術振興機構)に出展した。親子連れや友達同士など、150名を超える方々に体験してもらい、聴覚障害への理解を深めると共に、手話を楽しく学ぶことができたと評価された。
2024年3月-8月  東京工科大学のオープンキャンパスで、のべ300名以上の来場者がサイレント・コミュニケーションを体験した。より多くの方に体験して頂くため、コンテンツを8分に短縮し、一度に体験できる人数も8名から11名に拡張した。
2024年7月 2024年度のサイエンスアゴラへの出展が採択された。今年度は、片耳難聴コミュニティの「きこいろ」及び障害者雇用に取り組む株式会社ゼネラルパートナーズにご協力いただき、新しい体験コンテンツを開発している。10月26・27日にお台場のテレコムセンターにて体験可能。

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