対面ワークショップ
私たちは、聴覚障害を理解するための対面ワークショップを大切にしています。聞こえる人が、いつも使っている声を出さずに、目の前にいる人に言葉を伝えることの難しさを実感できるからです。ワークショップは、手話や指文字の実技(理論解説を含む)、聴覚障害理解のための体験、グループ活動、講義(理論や障害理解)があります。全部で20種類以上の実施項目から構成されており、参加者のレベルや実施日数に適した内容を検討します。
【ワークショップの例】
▶︎手話や指文字の実技 (理論解説を含む)
- ・指文字の読み取り
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講師の指文字を読み取り、何の言葉かを回答します。相手の指文字を読み取る訓練をします。
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・手話 (色の表現)
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まずは、色を表す手話単語を覚え、それらの色に関する言葉を使って手話表現をします。色という上位概念と、その色から連想する物をつなげることで、手話単語の世界を広げます。
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・手話 (空間・位置)
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イラストにある対象物の場所を正確に手話で伝えたり、読み取ったりします。
▶︎聴覚障害理解のための体験
- ・難聴体験①
- 発音明瞭度を下げた音声を聞き取り、話の内容を考えます。聞き取りづらい状況で話を聞くと、集中力が必要となり、疲労にもつながることを体感します。
- ・難聴体験②
- 聞こえにくい状況で集団の会話に参加し、話の内容を考えます。一人だけ聞こえないことは、とても孤独に感じることを実感します。また、聞こえている人は、聞こえない人に音声以外で話の内容を伝える工夫をする体験をします。
- ・音響シミュレーション体験
- ヘッドフォンをして、音響シミュレーションによる聞こえにくい状態を体験します。聞こえる人は、カクテルパーティー効果により雑音下でも聞き取れますが、その効果がなかったらどうなるかを体験したり、バイノーラル録音用マイクを使って片耳難聴の体験をしたりします。
▶︎グループ活動
- ・ジェスチャー伝言ゲーム
- 与えられたお題に対して、自分なりに考えたジェスチャーを相手に伝えたり、読み取ったりします。手話とジェスチャーの違いを理解することにもつながります。
- ・私は誰?
- 自分が誰(何)なのかを見えないように背中に貼り、その言葉のヒントを周りの人に出してもらい当てます。言葉から連想される他の言葉を考えたり、上位概念となる言葉を見つける練習をします。
▶︎講義 (理論や障害理解)
- ・音韻論
- 手話の音韻を構成する要素として、「位置」「手の形」「動き」「手のひらの向き」があります。日本語(音声言語)と手話のそれぞれの音韻を知り、手話単語が成立するにあたって必要な要素を考えます。
- ・CL (Classifier/クラシファイアー)
- 手話言語におけるCLには、物体の形状や大きさを表す「実体CL」、物体を使ったり扱ったりする動作を表す「操作CL」、自分自身がその物体になりきり、その特徴を手指で表現する「身体CL」があります。これらのCLを理解して、手話の表現力を高めます。
遠隔ワークショップ
私たちは、遠隔ワークショップを重視しています。なぜなら、対面で実施するために必要な交通費や往復の時間を節約することができるからです。オンライン技術がなければ諦めていたことも、今の時代は工夫して実施することが可能です。一人でも多くの方に聴覚障害について理解していただくために、参加者のニーズに合わせて実施方法を検討します。詳しくはお問い合わせください。
コンテンツ開発
私たちは、聴覚障害を理解するための体験コンテンツの開発に力を入れています。ワークショップを実施する前に、短い時間で聴覚障害に興味を持って頂くために、ヘッドフォンで「聞こえにくい」状態を体験したり、簡単な手話を覚えてみたりするためのコンテンツです。約8分の体験をするだけで、これまで考えてもみなかった聞こえの世界に興味を持つことでしょう。
これまでに、子どもから大人まで楽しめる楽しいコンテンツや、企業で働く場面を想定したコンテンツを開発しました。皆さんのニーズに合わせて、様々なシチュエーションを想定したコンテンツを開発します。ぜひお問い合わせください。